アスベスト分析機関は報告書で選ぶ!~品質と費用で比較~

本記事の要約

  • アスベスト分析結果報告書は、単にアスベストの有無を示すだけでなく、工事の安全性、法的遵守、そして企業の信頼性を左右する極めて重要な文書である。
  • アスベスト分析で含有の有無を明確にすることで、適切な飛散防止対策を計画し、作業員の安全を確保するだけでなく、周辺環境への影響も最小限に抑えることが出来る。
  • アスベスト分析結果報告書は、関係法令やJIS規格に準拠し必要な情報が記載されている必要がある。また、施主への説明の際にも役立つ資料の為、誰にでも理解しやすい構成となっていることも大切。
  • アスベスト分析は単なるコストではなく、工事の安全性、法規制遵守、そして何よりも人々の健康を守るための「投資」である。
  • アスベストに関する質問・相談、調査・採取・分析は実績や信頼性のあるデイラボへ。
アスベスト分析を依頼する際、単に「分析結果」だけでなく、その「報告書」の品質が工事そして人々の安全と法規制遵守の鍵を握ります。

本記事では、その報告書の重要性を伝え、実際にアスベスト分析会社が発行する高品質な報告書を見極めるポイントを解説していきます。そして、適正な分析価格の見つけ方として分析費用の内訳を説明し、安さだけで会社を選ぶリスクも併せてお伝えいたします。

近年、アスベストの取り締まりが厳しくなる中、信頼できる適切な分析機関を選ぶことは非常に大切です。本記事を通して、安心・安全な工事を実現するための報告書の重要性を理解できるよう、是非最後までご確認ください。

アスベスト分析の目的と報告書の重要性

アスベストは、かつて多くの建材に使用されていましたが、その健康被害が明らかになって以降、使用が禁止されました。しかし、既存の建物には依然としてアスベスト含有建材が残されており、解体や改修工事の際には、飛散による健康被害を防ぐための厳格な対策が求められます。
この対策の第一歩となるのがアスベスト調査であり、そのうち実際にアスベストの有無を明らかに出来るのがアスベスト分析です。その含有結果をまとめた分析結果報告書は、単なる分析結果の羅列にとどまらず、工事の安全性と法規制遵守を証明する極めて重要な文書となります。

アスベスト事前調査の義務化と分析の役割

アスベストによる健康被害、特に中皮腫や肺がんといった深刻な疾患のリスクから作業員や周辺住民を守るため、日本ではアスベスト(石綿)に関する様々な法規制が設けられています。
2021年4月からは、厚生労働省が定める「石綿障害予防規則」の施工により、解体・改修工事を行う際には、その規模の大小にかかわらず工事前に解体・改修作業に係る部分の全ての材料について、石綿(アスベスト)含有の有無の事前調査を行うことが義務化されました。
この事前調査は、以下の3つで構成されます。
  • 書面調査:設計図書などからアスベスト使用有無を確認。これは、あくまでも仮判定であり、目視調査の計画を立てるために行う。
  • 目視調査:現地で建材を目視確認。書面調査の内容と相違が無いかも含めてアスベスト含有の可能性を判断する。
  • 分析調査:書面・目視では含有の有無を判断出来ない場合に、試料を採取し、専門機関でアスベストの含有有無や種類、含有率を特定する
この中で、分析調査は、書面・目視だけでは判断が難しい多様な建材に潜むアスベストを科学的に特定します。その分析によってアスベストの含有有無が明確になることで、適切な飛散防止対策を計画し、作業員の安全を確保するだけでなく、周辺環境への影響も最小限に抑えることが可能となります。
そのため、アスベスト分析は単に法律を守るだけでなく、皆様の健康と安全を守るための重要なステップです。

信頼できるアスベスト分析結果報告書が安全と法規制遵守の鍵

アスベスト分析の結果を記したアスベスト分析結果報告書は、単なる分析結果の羅列ではありません。
これは、工事におけるアスベスト対策の根拠となる「法的証拠」であり、工事や人々の安全性を確保し、関係法令を遵守するための鍵となります。
信頼できるアスベスト分析結果報告書は、以下のような点でその重要性を発揮します。
  • 法規制遵守の証明
    大気汚染防止法に基づきアスベスト(石綿)の事前調査結果の記録・3年間の保管は義務であり、行政への届出(特定粉じん排出等作業実施届出書など)の添付資料としても不可欠です。
    不適切な調査や報告書は、法令違反となり、罰則や行政指導の対象となる可能性があります。
  • 工事の安全管理の基盤
    報告書によってアスベストの有無、種類、含有率が明確になることで、アスベスト飛散レベルに応じた適切な除去工法や飛散防止対策、作業員の保護具の選定が可能になります。
    これにより、作業中のアスベスト飛散リスクを最小限に抑え、作業員の健康被害を防ぎます。
  • リスク回避と信頼性向上
    不正確な報告書や調査不足は、工事後のアスベスト飛散発覚による追加費用、損害賠償、企業の信頼失墜といった大きなリスクを招きかねません。
    高品質で信頼性の高い報告書は、これらのリスクを回避し、施主や社会からの信頼を獲得するために不可欠です。
  • 情報共有と説明責任
    工事関係者、施主、近隣住民など、関係者全員が工事の安全性について理解し、安心して進められるよう、報告書は明確な情報源として機能します。
    特に、近隣住民への説明責任を果たす上でも、客観的で信頼性の高い報告書は重要です。併せて、環境省の「アスベスト飛散防止対策」もご参照ください。
参考URL:
石綿総合情報ポータルサイト|事業者|工事の元請業者
環境局|申請・届出|分野別の申請|申請のご案内(大気環境)
このように、アスベスト分析報告書は、単にアスベストの有無を示すだけでなく、工事の安全性、法的遵守、そして企業の信頼性を左右する極めて重要な文書であると言えます。
そのため、分析を依頼する会社を選ぶ際には、報告書の品質を重視することが大切です。

アスベスト分析結果報告書の見極めポイント

ここまでアスベスト分析とその結果報告書の重要性を解説してきました。ここからはその報告書の品質に関して解説していきます。
アスベスト分析結果報告書は、法規制遵守、工事や人々の安全確保、そして将来的なトラブル回避のために重要であり、関係法令やJIS規格に準拠し必要な情報が記載されている必要があります。また、施主への説明の際にも役立つ資料の為、誰にでも理解しやすい構成となっていることも大切です。
そのようなことを念頭に置き、会社選びの際には特に以下の項目に注目し比較・検討しましょう。
必要事項の記載があるか
報告書は単なる「分析結果」の明記だけではなく、法的に必要な要素を満たしていなければ効力を持ちません。

・検体の採取者・採取日
・分析調査の方法(JIS規格など)
・明確な分析結果(素材名・含有比率・判定結果などの詳細)
・分析者の氏名および所属する機関又は法人の名称
・分析者が有資格者であることの証明の写し

これらが欠けていると、行政提出で差し戻しになるリスクがあります。まずは情報の網羅性をしっかり確認しましょう。
オプション費用などはかからないか
「分析費用」として提示された見積りが、実は一部の費用しか含んでいない場合があります。

・報告書作成費
・層別分析費
・断面写真掲載費
・証明書発行費
・郵送費やデータ納品費

これらが後から「オプション費用」として追加されることがございます。結果として予算超過や元請・施主への追加説明が必要になり、現場に負担をかける可能性もあります。契約前に「追加費用は一切発生しないか」見積もりの詳細を確認しましょう。
報告書の納品方法は何か
報告書の納品形式は、実務の効率性に直結します。

・紙での郵送のみか、PDFデータ対応があるか
・速報(結果のみ先に通達、報告書は後日納品)があるかないか
・緊急時に即日でデータ納品できるか

近年は電子申請が主流になりつつあるため、データ納品の可否はチェックポイントに加えるべきです。紙だけでは二度手間が発生し、現場の作業効率を大きく下げてしまう可能性があります。
説明しやすい構成で、誰が見ても分かりやすいか
どれほど正確な分析結果であっても、その報告書が見にくく理解しにくい場合は元請や施主も同様の分かりにくさを感じます。説明しやすい構成で、誰が見ても分かりやすい報告書であることが大切です。

・必要な情報のみで簡単・明瞭なレイアウトと構成
・試料外観写真や断面写真の添付による視覚的判断が可能
・アスベスト含有時の含有比率や種類の明確化
・PDFなどデジタル形式での提供

見やすく分かりやすい報告書は、工事の円滑な進行と関係者間の正確な情報共有に貢献し、結果としてアスベスト関連のトラブルを未然に防ぐ重要な役割を担います。

デイラボの報告書はスーパーゼネコンのお墨付き

分析結果報告書の品質について説明してきましたが、デイラボの報告書はスーパーゼネコン様からお墨付きをいただいておりますので、自信と信頼をもって利用できる報告書となっております。

下記表では代表的な会社の報告書の特徴を簡単にまとめております。それぞれの特徴がありますが、デイラボの報告書は特にお客様目線に立った分かりやすい構成となっております。

*「厚労省様式」とは?

厚生労働省が分析結果報告書のサンプルとして公開している「石綿障害予防規則 第3条第5※項に基づく 事前調査における石綿分析結果報告書(証明書)」のこと。(P.293~300)
分析結果報告書としては必要な情報が記載されていれば様式は問わないため、厚労省様式である必要は法律上定められておりません。


デイラボの報告書は必要な情報のみを写真や表で簡潔に整理した様式となっていますが、お客様のご希望に併せて厚労省様式で発行することも可能です。(別途追加料金)

実際にお客様からは満足度の高い声を多くいただけているため、別記事にてデイラボの報告書の特徴、利用しやすいポイントを紹介させていただいております。

【図解】「アスベストみなし判定をすれば事前調査は不要」は間違い?徹底解説!

デイラボのアスベスト分析結果報告書および調査結果報告書の読み方ガイドを別記事で解説しております。
デイラボの報告書への理解度を深めるだけでなくデイラボをご利用いただくきっかけや社内での申し立ての根拠付けにも繋がるかと思いますので、是非ご確認ください。

結果一覧表と1検体1ページで完結する検体ごとの報告書のみで構成されています。どこに何が書いてあるかわからないということはなく、非常にシンプルな構成である簡単・明瞭さが特徴です。

アスベスト分析の費用相場と適正価格の見つけ方

アスベスト分析の費用は、その後の解体・改修工事の安全性や法規制遵守に直結する重要な要素です。安ければ良いというものではなく、適正な価格で信頼できる分析サービスを選ぶことが求められます。
ここでは、分析費用に影響を与える要因と安さだけで選ぶリスクについて解説していきます。

アスベスト分析費用に影響を与える要因

アスベスト分析の費用は、様々な要因によって変動します。これらの要因を理解することで、提示された見積もりが適正であるかどうかの判断基準を持つことができます。主な要因は以下の通りです。
要因費用への影響
分析対象試料数試料数が増えるほど費用は高くなる。
(※デイラボでは大型案件の場合、割引が可能です。)
納期プラン納期が早いほど費用は高くなる。
事前調査の有無分析会社に事前調査から依頼する場合、調査費用や出張費用が加算される。
報告書の内容や形式   断面写真の追加や厚労省書式での報告書の作成などは、
会社によっては追加費用が発生する。
これらの要因を総合的に考慮し、自社が必要な情報は何かと照らし合わせながら会社を選ぶことが重要です。

安さだけでアスベスト分析会社を選ぶリスク

アスベスト分析の費用は決して安価ではありませんが、だからといって安さだけを追求して分析会社を選ぶことには、重大なリスクが伴います。
  • 「分析精度の低下」
    ⇨ 極端に安価な分析は、適切な設備投資が行われていない、経験の浅い分析者が担当している、あるいは不十分な分析方法が用いられている可能性があります。これにより、誤判定(見落としや誤検出)のリスクが高まります。
  • 「報告書の不備と法的リスク」
    ⇨ 安価な分析会社の中には、法規制で求められる報告書の必須項目が網羅されていない、または内容が不十分な報告書を発行するところも。このような報告書では、行政への届出が受理されない、あるいは後の検査で法規制違反が発覚し、罰則の対象となる可能性があります。
  • 「追加費用の発生と工期の遅延」
    ⇨ 不正確な分析結果に基づいた工事計画では、現場でアスベストが発見され、急遽再分析や工事中断が必要になることがあります。これにより、予期せぬ追加費用が発生したり、工事全体の工期が大幅に遅延したりすることにつながります。
  • 「健康被害のリスク」
    ⇨ アスベストの見落としは、作業員や周辺住民の健康被害に直結する最も深刻なリスクです。正確な分析に基づかない解体・改修作業は、アスベスト粉じんの飛散を招き、甚大な健康被害を引き起こす可能性があります。
アスベスト分析は、単なるコストではなく、工事の安全性、法規制遵守、そして何よりも人々の健康を守るための「投資」であると認識することが重要です。
適正な価格で、信頼できる実績と専門性を持つ分析会社を選ぶことが、最終的に最も費用対効果の高い選択となります。

まとめ:アスベスト調査・採取・分析は信頼と実績のデイラボへ

アスベスト分析は人々の安全確保と法規制遵守のために重要な工程です。特に、その結果を記したアスベスト分析結果報告書は、アスベストの含有の有無を明確に記すことで、適切な対応を決定する上で極めて重要な役割を果たします。信頼性の低い報告書は、予期せぬ健康被害や工事の中断、法的責任に繋がりかねません。高品質な分析報告書を見極め、適正な費用で確かなサービスを提供する会社を選ぶことが肝要です。

デイラボでは自信を持って高品質の報告書を提供することが可能です。また、アスベスト事前調査一式、採取、分析だけといった依頼もご希望に沿って柔軟にお受けすることが出来ますので、是非ご相談ください。その他アスベストに関して初歩的な質問でも構いません。会社のアスベスト対策に関しての体制づくりも一からサポートいたします。

ご相談・ご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社デイラボまでお問い合わせください。

TIPS「石綿とは?

 「石綿」とは「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれており細長い形の天然の鉱物繊維である。
 優れた特性を持っている反面、微細なものがいったん空気中に放出されると、消滅することなく長期浮遊し、人がそれを吸い込むと病気になる危険性が高まることから、石綿ばく露を防止することは極めて重要な課題となっている


引用:建設業労働災害防止協会|石綿作業主任者技能講習テキスト


<調査結果報告書 サンプル>
<分析結果報告書 サンプル>
また当社では、アスベスト分析業務だけでなく、貴社社員・協力業者様向けのアスベスト事前調査についての勉強会なども行うことも可能です。

1時間程度のお時間を頂き、法改正で変わったこと/今後対応しなければいけないこと/発注者様への説明/解体や修繕等の工事時に気を付けなければならないことなどをお話させて頂きます。
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