費用の目安がわかる!リフォーム前のアスベスト調査のリアルな費用相場とは?

本記事の要約
- 全てのリフォーム前にアスベスト調査は必須であり、特に1975年以前の建物は使用の可能性が高いため特に注意が必要。
- 解体・改修工事だけでなく、部分リフォームでもアスベストが発生する可能性がある。
- アスベスト費用は、調査費用(定性・定量分析)、ばく露防止対策費用(除去・封じ込め・囲い込みなど)、廃棄処理費用、付帯工事費用(足場設置・清掃など)に分かれ、建物の構造や面積、方法により大きく変動。
- アスベスト調査や除去等工事に関する補助金もあるため、各自治体ごとの条件や手続きなど事前の確認と申請が重要である。
- 安全で適切なアスベストリフォームを行うために、信頼できる業者へ依頼しましょう。アスベストの分析・調査はデイラボへ。
リフォーム工事を検討中の事業者様、特に築年数の経った住宅にお住まいの方は、「アスベスト」の問題が気になっているのではないでしょうか?
アスベストは適切に処理しないと健康被害を引き起こす危険性があるため、リフォーム工事前に必ず確認が必要です。
本記事では、リフォーム時に発生するアスベスト関連費用について、その内訳や相場、補助金に関するまで解説します。解体・改修工事だけでなく、部分リフォームでもアスベストが発生する可能性があるため、築年数に関わらずご一読ください。
アスベストに関する正しい知識を身につけ、想定外の費用負担を防ぎ、安全で安心なリフォームを実現しましょう!
アスベストの種類や危険性

アスベストとは、天然に産出する繊維状の鉱物です。 耐熱性、耐薬品性、絶縁性などに優れていることから、過去には建材をはじめ、様々な工業製品に広く使用されていました。
アスベストは大きく分けて、白石綿(クリソタイル)、青石綿(クロシドライト)、茶石綿(アモサイト)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの6種類に分類されます。中でも、クリソタイルは最も多く使用されていました。
アスベストの危険性は、その微細な繊維にあります。 これらの繊維は非常に細かく、吸い込むと肺の奥深くまで到達し、中皮腫、肺がん、アスベスト肺、びまん性胸郭プラークなどの深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。 これらの病気は、発症すると治療が困難な場合が多いです。
アスベストによる健康被害のリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
アスベストは、その特性から様々な建材に使用されていました。特に、1975年以前の建物には、アスベスト含有建材が使用されている可能性が高い とされています。代表的な建材は以下の通りです。
建材の種類 | 主な使用箇所 | 危険性 |
---|---|---|
吹き付けアスベスト | 梁、柱、天井、壁 | 最も危険性が高い。 劣化により繊維が飛散しやすい。 |
アスベスト含有保温材 | 配管、ボイラー | 劣化や破損により繊維が飛散する 可能性がある。 |
アスベスト含有スレート板 | 屋根材、外壁材 | 切断や破損時に繊維が飛散する 可能性がある。 |
アスベスト含有成形板 | 壁材、天井材、床材 | 劣化や破損時に繊維が飛散する 可能性がある。 |
アスベスト含有仕上塗材 | 壁、天井 | 劣化や剥がれ落ちにより繊維が 飛散する可能性がある。 |
その他、ビニル床タイル、接着剤、パテ、石膏ボードなどにもアスベストが含まれている場合があるため、注意が必要です。
築年数が古い建物でリフォームを検討する際は、アスベストの有無を必ず確認することが重要です。
リフォームでアスベストが発生するケース

リフォーム工事は、建物の老朽化した部分を新しくしたり、機能性を向上させたりするために実施されますが、築年数の古い建物では、アスベスト含有建材が使われている可能性があり、リフォーム工事がアスベスト粉じんの飛散リスクを高める可能性があります。
特に、アスベストは建物の様々な場所に使用されているため、リフォーム工事の種類によっては、アスベストに接触する可能性が高くなります。 この項目では、リフォーム工事の種類とアスベスト発生リスクについて詳しく解説します。
大規模なリフォーム工事、特に解体や改修工事を伴う場合は、アスベスト含有建材に直接触れる可能性が非常に高くなります。例えば、以下のような建材にアスベストが含まれている可能性があります。
建材の種類 | 使用箇所 | アスベスト含有の可能性 |
---|---|---|
けい酸カルシウム版 | 天井、壁 | 高 |
アスベスト含有保温材 | 配管、ボイラー | 高 |
アスベスト含有スレート板 | 屋根、外壁 | 高 |
アスベスト含有床材 | 床下地材、ビニル床タイル | 中 |
これらの建材の解体・撤去作業を行う際には、アスベスト粉じんが飛散するリスクが高いため、適切な対策が必要です。 その中でも、けい酸カルシウム板第1種はその他のレベル3材料と区分され、厳しい措置が求められます。理由としては、(レベル3建材の中で)アスベスト繊維の飛散性が高い=石綿暴露の危険性が高い材料であるからです。

【アスベスト】レベル3建材の中でも特に注意!けい酸カルシウム板第1種の特徴
こちらの記事では、特に注意が必要なけい酸カルシウム板第1種を詳しく解説しております。
併せてご参照ください。
けい酸カルシウム板第1種に限りその他のレベル3材料と区分され、厳しい措置が求められる理由としては、(レベル3建材の中で)アスベスト繊維の飛散性が高い=石綿暴露の危険性が高い材料であるからです。本記事では、どのように見分けるべきなのかを解説いたします。
大規模な解体・改修工事を伴わない部分的なリフォームでも、アスベスト発生の可能性はあります。例えば、以下のようなリフォーム工事でアスベストに接触する可能性があります。
- 壁のクロス張替え:クロスを剥がす際に、下地材にアスベストが含まれている場合があります。
- 床の張替え:既存の床材にアスベストが含まれている場合があります。
- 浴室・キッチンリフォーム:古い浴室やキッチンには、天井や壁などの内装材にアスベスト含有建材が使われている可能性があります。
部分的なリフォームであっても、築年数が古い建物ではアスベスト含有建材が使われている可能性があるため、事前の調査が重要です。特に、1970年代以前に建てられた建物は、アスベスト含有建材の使用率が高いため、注意が必要です。
リフォーム時のアスベスト費用の内訳と相場

リフォーム時にかかるアスベスト調査・除去工事費用は、いくつかの項目に分けられます。それぞれの費用項目を理解することで、総額を把握しやすくなり、予算計画も立てやすくなりますのできちんと確認・理解しましょう。
主な内訳は以下の通りです。
まずはアスベストが使われている可能性のある建材か、使われている可能性のある年代かを調べる書面調査を行います。
主に竣工図書を確認する作業となりますが、ここで判断できない場合は建材を採取して顕微鏡で繊維を確認(アスベスト分析)をする必要があります。この調査費用は、面積に基づいた調査対応人数や日数、方法によって異なります。
延べ床面積 | 費用相場(2人工対応時) | 対象例 |
---|---|---|
約70㎡ | 約3~12万円 | マンション専有部フルリノベーション |
約150㎡ | 約3~12万円 | 戸建て住宅 |
約3,000㎡ | 約7~12万円 | 会社のビル |
約10,000㎡ | 約14~24万円 | 団地などの集合住宅地 |
約30,000㎡ | 約21~30万円 | 学校など公共施設 |
アスベスト分析には、主に「定性分析」と「定量分析」の2種類があります。定性分析はアスベストの有無を調べるもので、比較的費用が抑えられます。一方、定量分析はアスベストの含有量も特定するもので、定性分析よりも詳細な分析が必要となるため費用が高くなります。
尚、工事を進めるうえでは基本的に「定性分析」を実施するのみで問題ありません。
分析方法 | 費用相場(1検体) |
---|---|
定性分析 | 約1.5~5万円 |
定量分析(X線回析分析法) | 約1.5~5万円 |
定性分析+定量分析 | 約3~10万円 |
分析調査は検査項目や内容、依頼する機関によって異なります。 デイラボでは、これら相場と比べても満足いただける費用で分析が可能です。
アスベストばく露防止対策費用は、アスベスト対策全体の中でも大きな割合を占めます。対処面積の広さや対処方法、建物の構造などによって費用が大きく変動するため、事前にしっかりと見積もりを取る必要があります。定性分析を行った後、アスベストが含有していないことがわかればここの費用は大きく削減されます。
そして、対処面積は広いほど費用は高額になります。また、アスベストの飛散を防ぐための養生や、対処後の清掃作業なども費用に含まれます。対処方法には、除去、封じ込め、囲い込みなどがあり、それぞれ費用も異なります。建物の構造によっても作業の難易度が変わり、費用に影響します。
ばく露防止対策 | 概要 | 費用感 |
---|---|---|
除去 | 吹付けアスベストを下地から取り除き、完全に除去する方法。確実で安全性が高い。 | 高 |
封じ込め | 表面に固化剤を吹き付けることにより塗膜を形成する方法や、内部に固化剤を浸透させ繊維を固着・固定化する方法。 | 中 |
囲い込み | 石綿含有製品でないボード等により、吹付け材などを密閉する方法。 | 低 |
上記はあくまで一般的な費用の目安です。また、封じ込めや囲い込みは一時的な対処であり、その後の除去が必要なため結果的には高額となります。正確な費用は専門業者による現地調査と見積もりが必要です。
アスベストは産業廃棄物として適切に処理する必要があります。処理費用は、アスベストの量や種類、処理方法によって異なります。また、廃棄物の運搬費用も含まれます。
廃棄物処理は、専門の処理業者に委託する必要があり、適切な処理が行われているかを確認することも重要です。処理費用は、除去費用とは別に計上される場合もあるので、見積もり時に確認しましょう。
アスベスト除去工事以外にも、付帯工事が必要となる場合があります。例えば、足場の設置や解体工事、原状回復工事などです。
作業員の安全確保やアスベストの飛散防止のためには、足場の設置や養生作業が必要になります。これらの費用は、建物の規模や形状、作業内容によって異なります。そして、除去作業後の清掃や消毒作業なども付帯工事費用に含まれる場合があります。見積もり時には、どのような付帯工事が含まれているかを確認することが大切です。
これらの費用もアスベストリフォーム費用に含まれ、付帯工事の内容によっては追加費用が発生する場合もあります。事前にしっかりと確認し、予算計画を立てましょう。
アスベストリフォームの補助金

これまでリフォーム時にアスベストが発生するケースやアスベストの調査・除去工事などで発生する費用を解説してきましたが、除去工事には場合によって高額な費用がかかります。そのため、アスベストを含有する建材を使用した住宅のリフォーム工事には、国や地方自治体から補助金が支給される場合があります。これらの制度を活用することで、アスベスト除去にかかる費用負担を軽減することができます。ただし、行政ごとに要件や申請手続きが定められていますので、事前にしっかりと確認することが重要です。

アスベスト調査・除去工事に補助金制度あり!知らないと損する活用方法とは?
こちらの記事では、アスベスト調査・除去工事の補助金制度を詳しく解説しております。
併せてご参照ください。
費用負担は建築物の解体や改修工事の発注者となる方へも義務付けられており、リフォーム工事等の際には発注者であるお客様へも説明が求められます。
国や自治体の補助金を活用することで、経済的負担を軽減し、皆が安全な住環境を確保することが可能となります。
各自治体によって補助金の内容や条件は異なるため、最新の情報を確認し適切な手続きを行いましょう。
まとめ:アスベスト対策のアスベスト分析はデイラボへ
本記事では、アスベストの種類や危険性、リフォームでアスベストが発生するケース、そして気になる費用相場について解説しました。
リフォームで予期せぬ費用増の要因となるアスベスト。
築年数の古い住宅では特に注意が必要であり、健康に影響を与えないよう適切な処理を行いましょう。
デイラボはアスベスト分析における資格者数および設備で国内最大級の規模を誇り、最短で24時間以内の分析結果報告書の納品を実現します。
安全で安心なリフォームを行えるよう、アスベストの分析をご検討の方やアスベストに関して何かご不明な点等ございましたら、是非デイラボにお問い合わせください。

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