【アスベスト】レベル3建材の中でも特に注意!けい酸カルシウム板第1種の特徴

すべての工事においてアスベスト調査が必要

大気汚染防止法などの法改正により、解体・改修工事の前のアスベスト事前調査が「すべての工事において原則必須」※1となり、その調査結果を一定規模以上の解体工事もしくは一定金額以上の改修工事については調査結果の届出が必要※2となりました。

※1 調査の対象を外れる要件もいくつかございます(こちらの記事を参照)
本記事では、石綿の使用の可能性のある材料のうち、【けい酸カルシウム板第1種:通称ケイカル板】の特徴や法的な取り扱いについて解説いたします。

アスベスト対策におけるケイカル板のポイント

まずは、重要なポイントを以下に記します。
  1. レベル3(石綿の飛散性の低い)の特定建築材料と規定されていますが、けい酸カルシウム板第1種に限り、石綿含有もしくは含有みなしでの工事の場合、その他のレベル3材料よりも厳しい措置(隔離養生・負圧なし)が求められている。
  2. 上記の対応が求められるため、事前調査のタイミングでその他の材料と見分ける必要がある。
このようにけい酸カルシウム板第1種に限りその他のレベル3材料と区分され、厳しい措置が求められる理由としては、(レベル3建材の中で)アスベスト繊維の飛散性が高い=石綿暴露の危険性が高い材料であるからです。
では、どのように見分けるべきなのかを解説いたします。

けい酸カルシウム板第1種の特徴

  • 検針棒(針を刺すタイプの下地探し)を刺したとき、スレートは刺さらない、石膏ボードは貫通する、けい酸カルシウム板第1種は力を入れて刺すと針先が若干刺さり、手を離すと検針棒が自立する。
    ※けい酸カルシウム板第2種は容易に刺さる。
  • 打診棒で打音した場合の音色が、その他の材料と異なりややこもった音色である。
  • 汚れていない小口を観察すると、スレートは薄灰色なのに対し、けい酸カルシウム板第1種は白色
  • 板を割ったときの小口の様子は、抄造法で製造されたけい酸カルシウム板第1種は層状を呈する。プレス法で製造されたけい酸カルシウム板第2種には層状の様子はうかがえない。

けい酸カルシウム板はどのような場所に使われているのか

  • ビル・工場・倉庫・店舗・学校・病院などの天井や壁及び軒天井に使用されている。
  • 特殊建築物や高層ビルなどの防火区画壁や内装制限を受ける天井や壁下地材として使用されている。
  • バルコニーの隔て壁に使用されている。
  • コンロ周囲の吊り戸棚の底板に使用されている。
  • 積層板(厚物)は、カーテンウォール等のバックアップ材に使用されている。
  • 立体駐車場や倉庫などの耐火外壁に使用されている。(外壁に使用する時は金属板などの不燃材料として使用され表面仕上げされている。)
  • ケーブルや配管の区画貫通仕切り板に使用されている。
  • 建材表面にレベル1建材の石綿含有吹付パーライトが施されている場合がある。
  • 化粧板下地としても利用されている。
  • ユニットバスやシステムキッチンの裏側壁や天井に施工されている場合がある。
【Appendix:けい酸カルシウム板第2種】
  • 柱や梁の耐火被覆材および不燃内装装飾材に使用されている。
  • ケーブルや配管の区画貫通処理材(パテのような使用方法)に使用されている。
  • 化粧板下地としても利用されている。

まとめ

けい酸カルシウム板第1種は、レベル3(石綿の飛散性の低い)の特定建築材料と規定されています。石綿含有もしくは含有みなしでの工事の場合、その他のレベル3材料よりも厳しい措置(隔離養生・負圧なし)が求められているため、石綿使用の有無の事前調査での他建築材料との識別は必須であると考えられます。

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