壁や天井等の建材で使用される石膏ボード製品のアスベスト含有について解説!

本記事の要約

  • 石膏ボード製品とは
  • アスベスト(石綿)を含有する石膏ボード製品の製造時期と種類
  • アスベストを含有する石膏ボード製品の見分け方
  • アスベストを含有する石膏ボード製品の撤去方法と処分費

すべての工事においてアスベスト調査が必要

大気汚染防止法などの法改正により、解体・改修工事の前のアスベスト事前調査が「すべての工事において原則必須」※1となり、その調査結果を一定規模以上の解体工事もしくは一定金額以上の改修工事については調査結果の届出が必要※2となりました。

※1 調査の対象を外れる要件もいくつかございます(こちらの記事を参照)
※2 【よくある誤解!】100万円以下の工事でもアスベスト調査は必須です!
現在は中皮腫や肺がんなどの病気の原因として製造や使用が禁止されているアスベストですが、従来は耐火性や断熱性、防音性などの機能を持ち安価な材料として様々な建材に使用されてきました。 
一般的によく知られているアスベストを含有する建材は、鉄骨の耐火被覆に使用されていた石綿(アスベスト)吹付ですが、壁や天井等の建材で使用される石膏ボード製品にもアスベストが使用されていた時期があります。
 本記事では石膏ボード製品のアスベスト含有について、詳しく解説します。

石膏ボードとは?

石膏ボードとは石膏を芯材とし、両面を紙で被覆成形した板状の建材です。
プラスターボードとも呼ばれ設計図書にはプラスターボードの頭文字であるPBと表記されることもあります。
防火・耐火性、断熱性、遮音性、寸法安定性に優れており安価で加工もしやすい建材であるため、広く普及しています。
通常は塗装やクロス貼り仕上げの下地材として屋内の壁や天井等に使用されています。
化粧石膏ボードと呼ばれる表面を化粧加工したタイプもあり、石膏ボードを含め、石膏を芯材とした建材のことを石膏ボード製品と呼んでいます。

石膏ボード製品の種類

・石膏ボード
標準的なサイズは910mm×1820mmで3×6(サブロク)サイズと呼ばれています。
現在製造されている石膏ボードは厚さ9.5mmまたは12.5mmの2種類が一般的ですが以前は厚さ9.0mmと12.0mmが使用されていました。
標準的なサイズの他に910mm×2420mm(3×8サイズ)、910mm×2730mm(3×9サイズ)の種類があります。
厚さも15mmの種類があります。
・化粧石膏ボード

石膏を芯材とし、表面に化粧加工をした製品です。裏面は通常の石膏ボード同様、紙による被覆が施されています。
最も一般的な建材はトラバーチン模様の洋風天井用化粧石膏ボードであるジプトーンです。安価でメンテナンス性の高さから事務所や商業施設などの天井材として普及しています。
化粧石膏ボードは表面の化粧加工の種類が多く、ジプトーンの他にも吸音天井ボードや押し入れの壁材である押入れボードなどがあります。
化粧石膏ボードは表面が化粧加工されているため通常は塗装やクロス仕上げなどの工事は不要ですが、汚れや雨漏り跡を目立たなくするために改修によって何らかの仕上げがされている場合もあります。
・その他
その他耐水石膏ボード、強化石膏ボード、構造用石膏ボード、ホルムアルデヒド吸収分解・吸放湿といった機能を備えた石膏ボード、和室塗り壁下地用ボード(ラスボード)といった種類があります。

石膏ボード製品にアスベストは使用されている?

現在製造されている石膏ボード製品にはアスベストは使用されていませんが、耐火性を向上させるために石膏ボード製品の材料にアスベストを使用していた時期があります。 メーカーからの情報提供のあったアスベストを含有する石膏ボード製品については、国土交通省の石綿(アスベスト)含有建材データベースに石綿含有石膏ボードとして登録、公開されています。
また、石膏ボードメーカーで構成される石膏ボード工業会からもアスベストを含有する石膏ボード製品についての情報が公開されています。

アスベストを含有する石膏ボード製品の製造時期

アスベストを含有する石膏ボード製品の製造時期は1970年(昭和45年)から1986年(昭和61年)までで、この期間に製造された石膏ボード製品の1%弱の製品にアスベストが含有されていると推定されています。

アスベストを含有する石膏ボード製品の判別方法

アスベストを含有する建材の判別は書面調査及び現地調査、分析調査により行います。書面調査及び現地調査は合わせて事前調査と呼ばれています。事前調査によりアスベスト含有の有無が判断できない場合には分析機関に試料を送り、分析調査が実施されます。
①書面調査
石膏ボード製品についての書面調査では建物の竣工年度、仕様書や仕上げ表に記載されている建材名、防火材料認定番号を確認します。
②現地調査
石膏ボード製品についての現地調査では、現地で石膏ボード製品の厚さ、裏面に表示されているメーカー名、建材名、防火材料認定番号を確認します。
③分析調査
書面調査と現地調査でアスベスト含有の有無の判断ができない建材の試料を現地で採取し分析機関で分析を行います。
分析調査ではアスベスト含有の有無、アスベスト含有量を調査することができます。
上述の①②において、建材情報などからアスベスト使用の有無を判断する根拠として、一般社団法人石膏ボード工業会より、以下の通り情報が公開されています。

アスベストを含有する石膏ボード製品の種類

一般社団法人石膏ボード工業会が公開しているアスベストを含有する石膏ボード製品は下記の通りです。
下記製品に使用されたアスベストは白石綿で、その含有量は以下の通りです。

・①~②の製品に約1 重量% 
・③~⑦の製品に約1.5 重量% 
・※1の製品に約4.5 重量% 
・※2の製品に約1.5 重量%
No.製品防火材料認定番号
9㎜厚 準不燃石膏吸音ボード第 2006 号、第 2019 号
9㎜厚 化粧石膏吸音ボード第 2014 号、第 2010 号
7㎜厚 アスベスト石膏積層板第 1012 号
9㎜厚 アスベスト石膏積層板第 1013 号
9㎜厚 グラスウール石膏積層板第 1014 号
9㎜厚 不燃石膏積層板第 1004 号
7㎜厚 準不燃アスベスト石膏積層板第 2008 号
※115 ㎜厚 ガラス繊維網入り石膏ボード
※212 ㎜厚 化粧石膏板(個別認定)(個)第 1425 号
第 2014 号、第 2019 号及び第 1004 号につきましてはアスベスト使用停止後も同じ防火材料認定番号だった期間がありますので製造時期の特定が必要です。
参考URL:https://www.gypsumboard-a.or.jp/
参考URL:https://www.gypsumboard-a.or.jp/pdf/asbestos.pdf

3.判別方法
・No.1~7の石膏ボード製品は、厚さと、設計図書や石膏ボード製品の裏面に表示されている防火材料認定番号から判別出来る場合がございます。
※1:吉野石膏(株)の1977年(昭和 52 年)から1986年(昭和61年)までの吉野耐火ウォールA又はB(耐火間仕切壁)に使用されておりました厚さが15mmでコア中に網の入った製品が該当します。
但し、当該製品はボード裏面にJISマーク及び防火材料認定番号が表示されていないものが該当します。
※2:チヨダウーテ(株)の1977年(昭和52年)から1981年(昭和56年)までのエースボードR(エースウォール)(厚さ 12mm)の製品が該当します。当該製品は、表面には化粧柄印刷され、裏面には社名が千代田建材工業株式会社、防火材料認定番号が四角形で表示されています。

4.その他判別方法
防火材料認定番号の頭文字が「NM-」、「QM-」ではじまる石膏ボードは2002年 (平成14年)5月17日以降に製造しておりますのでアスベストは使用しておりません。 ・以下の現行JISマークが表示されている石膏ボードは2008年(平成20年)4月1日 以降に製造しておりますのでアスベストは使用しておりません。

旧JISマーク
新JISマーク

アスベストを含有する建築材料の撤去/処分方法

アスベストを含有する建材の撤去作業は、その発じん性に応じて3つのレベルに分類されています。
  • レベル1,石綿含有吹付け材:発じん性が著しく高く、作業場所の隔離や高濃度の粉じんに対応した厳重なばく露防止対策が必要です。
  • レベル2,石綿含有保温材・耐火被覆材・断熱材:発じん性が高く、レベル1に準じて高いばく露防止対策が必要です。耐火被覆、煙突用断熱材などです。
  • レベル3,その他の石綿含有建材(成形板等):発じん性が比較的低く破砕、切断等を伴う場合は湿式作業を原則とします。
アスベストを含有する石膏ボード製品はレベル3のその他の石綿含有建材(成形板等)に分類されています。
改修や解体工事で撤去するような場合を除けば、日常生活の中で特別な管理を必要としないとされていますが、改修や解体工事に際しては、適切な飛散やばく露防止措置を講じ、発生する廃棄物を適切に処理することが求められます。

アスベストを含有する石膏ボード製品の撤去方法

除去に際してはアスベストの飛散リスクが少ない工法を採用することが重要です。
また、除去したアスベストを含有する建材が他の産業廃棄物と混合しないよう、他の作業に先行して除去し、分別することが必要です。
レベル3の建材は発じん性は比較的低いとされていますが、切断や破砕によりアスベストが飛散することから、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」ではできる限り切断や破砕等を行わないように、原形のまま取り外すことを原則としています。
また、作業後の清掃を確実に行うために必要に応じて養生を行い、粉じんの発生が予想される場合には高性能真空掃除機等で粉じんを吸引するなどの措置が必要です。
作業計画を作成する際には、アスベストを含有する建材の種類や劣化状況、除去に際して切断や破砕等が必要になるかを判断し、アスベストの飛散を防止するための措置を計画する必要があります。

アスベストを含有する石膏ボード製品の処分方法

原形のまま取り外した材料は、原則として湿潤化し、切断や破砕は行わず原形のまま取り扱います。
レベル3のアスベスト含有建材は非飛散性アスベスト廃棄物として最終処分場で処分されます。

まとめ

本記事では、アスベスト含有の可能性のある建材の中で、代表的な仕上げ材でもある石膏ボードについての情報を掲載いたしました。
工事に携わる事業様に置かれましては、本記事をご一読頂き、コンプライアンス・法令を遵守し企業活動を行って頂けますと幸いでございます。

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解体・改修工事におけるアスベスト事前調査は原則すべてのものが対象です。
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