工作物の石綿事前調査資格の新設について

本記事の要約

  • アスベスト調査の工作物における資格が令和8年1月1日より新設される
  • 一部の特定工作物については、新設される工作物石綿事前調査者が事前調査を行う必要がある。

工作物のアスベスト事前調査

大気汚染防止法などの法改正により、解体・改修工事の前のアスベスト事前調査が「すべての工事において原則必須」※1となり、その調査結果を一定規模以上の解体工事もしくは一定金額以上の改修工事については調査結果の届出が必要となりました。

※1 調査の対象を外れる要件もいくつかございます(こちらの記事を参照)
本記事では、令和5年6月23日に≪環境省 水・大気環境局大気環境課長≫より通知された、大気汚染防止法施行規則等の一部改正する省令等の施行等についての内容について記載いたします。

本通知については、主に「工作物」の石綿事前調査についての内容となっております。

①   事業者は、工作物に係る解体工事を行う場合の事前調査について適切に調査を実施するために必要な知識を有する者(以下「調査者等」という。)に行わせなければならないこととした。
ただし、特定工作物以外の工作物に係る解体等工事を行う場合の事前調査については、塗料その他の石綿等が使用されているおそれのある材料の除去の作業を伴う場合に限ることとした。「塗料その他の石綿等が使用されているおそれがある材料」には、塗料のほか、モルタル及びコンクリート補修材(シーリング材、パテ、接着剤等)が含まれる。なお、工作物に係る解体等工事を行う場合の事前調査の円滑な実施に十分な数の調査者等を養成するため、当該者に調査を行わせる義務については、令和8年1月1日より適用することとしたが、義務付け適用以前においても、事前調査は調査者等に行わせることが望ましい。

②   特定工作物告示第1号から第5号まで及び第7号から第11号までに掲げる工作物(以下に詳細説明)に係る解体等工事は、工作物石綿事前調査者(新設)による事前調査が必要である。

③   特定工作物告示第6号、第12号から第17号までに掲げる工作物(以下に詳細説明)に係る解体等工事、又は、特定工作物告示に規定するもの以外の工作物に係る解体等工事のうち塗料その他の石綿等が使用されているおそれがある材料の除去等の作業を伴うものについては、建築物石綿含有建材調査者(一般、特定)もしくは工作物石綿事前調査者による事前調査が必要である。

④   特定工作物として、「観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く。)」を追加した。(※特定工作物告示 第17号)

⑤   特定工事の元請業者又は自主施工者は、当該特定工事における特定建築材料の除去又は囲い込み等の完了後に(これらの作業を行う場所を他の場所から隔離したときは、隔離を解く前に)、これらの作業が完了したことの確認を適切に行うために必要な知識を有する者(調査者等又は当該特定工事に係る石綿作業主任者)に当該確認を目視により行わせることとしている。

大気汚染防止法施行規則等の一部改正する省令等の施行等について

これらの要点をまとめると以下の通りになります。
  • 工作物に係わる解体等工事を行う際も、石綿使用の有無について事前調査を行う必要がある。
  • 特定工作物以外の工作物については、塗料その他の石綿等が使用されている恐れのある材料の除去の作業を伴う場合に限る。上記材料には、塗料のほか、モルタル及びコンクリート補修材(シーリング材、パテ、接着剤等)が含まれる。
  • 一部の特定工作物については、新設される工作物石綿事前調査者が事前調査を行う必要がある。
  • 除去作業または対策工事完了後には、必要な知識を有する者(作業主任者もしくは調査者)の確認が必要である。
  • 一部を除き、令和8年1月1日より適用することとした。
    ※ただし、義務付け適用以前においても、事前調査は調査者等に行わせることが望ましい。
※一部の特定工作物(特定工作物告示第1号から第5号まで及び第7号から第11号までに掲げる工作物)に該当するものは、以下の通りになります。
※○建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和6年2月改正厚生労働省、環境省)の改正実施により、一部追記,2024/3/1
1:反応層
2:加熱炉
3:ボイラー及び圧力容器
4:配管設備(建築物に設ける給水設備、排水設備、換気設備、暖房設備、冷房設備、排煙設備等の建築設備を除く。)
5:焼却設備
 7:貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く。)
 8:発電設備(太陽光発電設備及び風力発電設備を除く。)
 9:変電設備
10:配電設備
11:送電設備(ケーブルを含む。)
上記の特定工作物については、令和8年1月1日より、新設される工作物石綿事前調査者による調査が必要となります。

また、その他の特定工作物については、工作物石綿事前調査者もしくは、建築物石綿含有建材調査者(一般、特定)による事前調査が必要となり、以下の特定工作物が該当いたします。
 6:煙突(建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除く。)
12:トンネルの天井板
13:プラットフォームの上家
14:遮音板
15:軽量盛土保護パネル
16:鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板
17:観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物に該当するものを除く。)
※番号は、「特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物」(令和2年10月環境省告示第77号)の号番号

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