「仕上塗材は層別分析が基本!?」アスベスト分析調査の「層別分析」のメリットとは!

本記事の要約

  • 仕上塗材及び下地調整塗材は層別分析を行うのが基本である
  • 層別分析の有無によって、ばく露防止対策工事の施工範囲や撤去費用に影響する
  • 層別分析を行うには、JIS A 1481-1により分析を行う必要がある
大気汚染防止法などの法改正により、解体・改修工事の前のアスベスト事前調査が「すべての工事において原則必須」※1となり、その調査結果を一定規模以上の解体工事もしくは一定金額以上の改修工事については調査結果の届出が必要となりました。

※1 調査の対象を外れる要件もいくつかございます(以下記事を参照)

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  1. 工事におけるアスベストの事前調査は法律で定められた義務であり、一部の例外を除いて必須である
  2. アスベストの調査が不要なのは、アスベストの飛散リスクがない条件を満たす場合である
  3. アスベストの調査が不要な条件を満たすのは現実的にはごく一部のケースである
本記事では、アスベスト分析における「層別分析」のメリットや層別分析を「しなかった」際のデメリットについて解説します。

層別分析することで、撤去時の工法の選定や撤去数量の算出をより細かくできる。

層別分析がもっとも重要な建材は「石綿含有仕上塗材」です。塗材の除去方法は様々な工法がありますが、それらの工法を選択する際に以下の内容を留意しなければなりません。

仕上塗材及び下地調整塗材に石綿が含まれるか否かを分析する場合は、それぞれの材料について石綿の有無を判別することが基本である。また、仕上塗材の改修等では上塗材の塗替えのみの場合、主材の劣化部分を除去する場合等があり、前者の場合は石綿除去に該当しないが、後者の場合は主材中の石綿の有無を判別する必要がある。また、場合によってはドライアウト等が原因となり、下地調整塗材と仕上塗材が一緒に剥離する劣化も起こる。したがって、改修等の場合の分析用試料の採取にあたっては、仕上塗材の劣化状態及び改修等工事の内容を理解した上で適切に計画する必要がある。

<建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和3年3月)_P.196,環境省>

仕上塗材と下地調整塗材に係る作業をする場合には、塗材のどの層に石綿があるのかを明らかにして、工法・作業を選択する必要がある。

● どの層に石綿があるのかを明らかにするためには、仕上塗材から下地調整塗材までを剥離したものを試料とし、JIS A 1481-1により層別の分析をする必要があるJIS A 1481-2、3、4、5では、仕上塗材と下地調整塗材を混合して分析するため石綿が存在する層を特定できない。3.2.7①石綿の分析方法参照)

● (中略)層別の分析をしていないため仕上塗材と下地調整塗材のどちらに石綿が含まれているのかがわからない場合は、いずれにも石綿が含有しているものとして工法・作業を選択すること。

<建築物の解体等に係る石綿(アスベスト)飛散防止対策マニュアル_P.146,東京都環境局>

また、塗材だけでなく床・壁・天井などの各種仕上げ材や、成形板に塗材が施工され分離できない場合には層別分析が必要になります。

層別分析の有無が影響する内容

前述の通り、層別分析は仕上塗材や複層構造になっているビニル床タイル/シート/壁紙クロス+接着剤の分析において重要な役割を持っています。多くの場合は工法の選定などに活用されますが、以下の項目に影響を及ぼすことも留意しておきましょう。

・費用対効果の高い工法の選定
・石綿対策工事の施工範囲の選定
・石綿含有建材の撤去費用の算出
・撤去後の産業廃棄物の管理

層別分析は工法だけでなく、アスベストばく露防止対策工事の施工範囲や撤去費用の増減、特別管理産業廃棄物(レベル1,2)/石綿廃棄物(レベル3)の現場管理や処分費用にも大きく影響します。

層別分析をしない場合のデメリット事例

例えば、「石膏ボード・岩綿吸音板」の2枚張りがあります。これらを層別に分析すれば、どちらの材料に含有しているかを判別することが可能です。
しかし、層別に分析をしない場合はそれぞれを別検体として扱い分析する必要があります。

上記の事例において層別分析なしで行うと、含有の場合に影響が大きいのは撤去数量/産業廃棄物の管理です。特に石膏ボードの紙材にのみ含有している場合がありますので、一部紙材のみ含有の場合と比較すると、全て含有になった場合は石綿産業廃棄物(レベル3)の費用に大きく影響します。

また、別の事例ですとクロスの貼り替えのケースが挙げられます。クロスを貼り付けるための「接着剤」に含有している場合があり、層別分析なしの場合、クロスに含有なのか・接着剤に含有なのかが不明になります。単純にクロスを剥がすだけでは接着剤(暫定石綿含有)が付着し残留することになるので、それらを適切に処理しなければなりません。クロスが石膏ボードなどの成形板に貼り付けられている場合、付着した接着剤を成形板への干渉なしに除去することは現実的ではありませんので、層別に分析し「接着剤への石綿含有なし」を明確にすることが重要になってきます。

※成形板への干渉を考慮する場合は、成形板の分析も必要になります。

自社で行える工法や最終的な撤去・廃棄費用などから層別分析を選択する必要がある。

層別分析は、自社で行える施工方法や最終的な費用などから必要/不要を考え、適切に使用していくことが重要です。本記事でも記載しておりますが、特に「仕上塗材」の施工の際には層別分析が基本とされています。以上の点を踏まえて、適切な費用提示と安全な適正工事を行うことを心がけるようお願い申し上げます。

まとめ

層別分析の有無によっては、最終的な撤去・廃棄費用に大きく影響する場合もございます。分析対象となる建材の種類や自社で行える工法や撤去・廃棄を想定したうえで選択いただければと思います。

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