【蛍光灯規制】LED照明への切り替えを安全に進めるためのアスベスト対策

  • アスベスト調査
  • 法改正等

2026.02.20

【蛍光灯規制】LED照明への切り替えを安全に進めるためのアスベスト対策
  • 2027年末までに一般照明用蛍光灯の製造・輸出入が終了し、LED照明への計画的な切り替えが求められている。
  • LED工事で建材に何かしらの加工を伴う場合は、法令に基づきアスベスト事前調査が必須となる。
  • 調査費用は工事内容や検体数によって変動するため、安易なみなし判定をせず合理的な調査計画を立てることが重要。
  • 早い段階で専門業者に相談することで、無駄な除去費用や想定外のコストを防ぎ、安全かつ円滑なLED化を実現できる。
  • アスベストの調査・採取・分析、基本的な体制づくりのサポートはデイラボへ!

皆様、2027年末までに一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入が終了することをご存じでしょうか。それにあたっては、計画的なLED照明への切り替え工事が予想されます。
その工事に伴い既存の建築物に何かしらの加工を施す場合はアスベスト調査が必須です。調査を怠り安易な考えで交換をしてしまうと、健康被害や法律違反を招く危険性があります。

そこで本記事では、蛍光灯規制に伴うLED化の概要から、アスベスト調査の必要性、費用を抑えるためのポイントまで解説していきます。誤解されやすいみなし判定の考え方についてもご紹介いたしますので是非最後までご確認下さい。

本記事を通して、安全かつ計画的にLED照明へ切り替えていくための最適な方法を整理していきましょう。


蛍光灯は2027年末までに製造・輸出入が禁止

長らくオフィスや工場、店舗などで広く利用されてきた蛍光灯ですが、一部商品が2027年末までに製造・輸出入が終了することとなります。これは、環境保護と持続可能な社会の実現に向けた国際的な動きの一環であり、企業や施設管理者にとっては、計画的なLED照明への切り替えが求められる重要な課題です。

■ なぜ蛍光灯を規制するのか

蛍光灯の規制は、主に水銀の使用による環境負荷と健康リスクが大きな理由となっています。水銀は神経系や腎臓に悪影響を及ぼす有害物質であり、蛍光灯が破損したり廃棄されたりする際に環境中に放出される可能性があります。この問題に対処するため、国連環境計画(UNEP)主導のもと、2013年に採択されたのが「水銀に関する水俣条約」です。蛍光灯はこの条約の規制対象製品の一つであり、蛍光灯の製造や輸出入の規制が決定されたため、今回の規制が決まりました。
さらに、LED照明は蛍光灯に比べて大幅な省エネルギー効果があり、電気代の削減だけでなく、CO2排出量の削減にも貢献します。これは、地球温暖化対策やSDGs(持続可能な開発目標)達成への取り組みとしても非常に重要です。

■ 規制の概要

規制される「一般照明用の蛍光灯」とは、「一般の住宅や商業施設等の建物において専ら人の一般的な生活や活動のための用途のもの」を指しています。具体的な製品の詳細については下記表をご確認ください。

引用:経済産業省|規制の対象となる製品について

日本においては、経済産業省が主導し、水銀に関する水俣条約の要請に基づき、特定水銀使用製品である蛍光灯の製造・輸出入規制を進めています。具体的な規制のスケジュールは以下の通りです。

対象製品規制内容施行時期
一般照明用蛍光ランプ(電球形、直管形など)製造・輸出入の禁止2027年12月31日
水銀灯(高圧水銀ランプ)製造・輸出入の禁止2020年12月31日(既に規制済み)

この規制は、既存の蛍光灯の販売や使用を直ちに禁止するものではありませんが、新たな製品の供給が停止されるため、在庫がなくなり次第、入手が困難になります。そのため、規制開始前に計画的な切り替えを進めることが賢明です。

参考:経済産業省|蛍光灯からLED照明への切り替えはお済みですか?


LEDへの切り替え工事ではアスベスト調査が必須

ここまで規制の概要を説明してきましたが、実際にLED照明への切り替え工事を行う際は工事内容によってはアスベスト調査が必須です。
例えば、天井内への立ち入りや照明器具周辺の解体・加工を伴う場合、既存の建築物に何かしらの加工を施すことから、それは法律上アスベスト調査が義務付けられています。「照明工事だから大丈夫」という認識のまま進めると、後から行政指導や是正対応を求められる可能性もあります。
下記にてアスベスト調査が必要なケース、不要なケースを具体的に示していきます。

■ アスベスト調査が必要なケース

以下のような既存の建築物に何かしらの加工を施す工事の場合は、アスベスト調査が必要です。

  • 既存照明とサイズが異なるLED器具を設置するため、天井材を切断・開口する場合
  • 天井裏に入り、配線ルートの変更・増設を行う場合
  • 照明器具の撤去に伴い、電動工具を用いて天井材や下地材に触れる・外すなどの作業が発生する場合
  • 直付け照明から埋込型LED照明へ変更するなど、天井構造に加工が必要な工事

■ アスベスト調査が「不要となる可能性が高い」ケース

一方で、次のような工事は、建材への加工を伴わないため、調査が不要となる場合があります

  • 既存器具と同等サイズ・同等形状のLED器具への交換のみ
  • 天井材に加工を施さず、既存の取付穴・配線をそのまま使用する場合
  • 器具本体の取り外し・取り付けのみで完結する作業

判断のポイントは「工事内容」であって「照明の種類」ではありません。重要なのは、LED照明に切り替えるかどうかではなく、どのような工事を行うかという点です。何かしらの加工を施す際に建材にアスベストが含まれていた場合は、アスベスト繊維が空気中に飛散し、作業員や建物の利用者の健康を脅かす危険性があります。既存建築物に何かしらの加工を施す場合は、アスベスト調査が必要になると理解しておく必要があります。

■アスベスト調査の流れ

アスベスト調査とは書面調査から始まり目視調査へと進み、書面+目視調査のみではアスベストの有無を判断できない場合は分析調査を行う必要があります。その分析までの一連の流れにつきまして、具体的には別記事にてまとめておりますので、調査が必要と判断した場合は是非当記事をご確認ください。

アスベスト(石綿)調査~分析の流れとよくある質問まとめ|専門家が丁寧に解説!

アスベスト事前調査から分析、そして業者選定までの流れを分かりやすく解説。よくある質問もまとめていますので、当記事を通して疑問を解消し、安心して調査・分析を進められるはずです。

■アスベスト含有建材が見つかった場合の対応

事前調査の結果、アスベスト含有建材が確認された場合、LED照明工事を行う前に適切なアスベストばく露防止対策を講じる必要があります。対処方法には、除去、封じ込め、囲い込みなどがあり、それぞれ費用も異なります。建物の構造によっても作業の難易度が変わり、費用にも影響します。

ばく露防止対策   概要費用感   
除去吹付けアスベストを下地から取り除き、完全に除去する方法。確実で安全性が高い。
封じ込め表面に固化剤を吹き付けることにより塗膜を形成する方法や、内部に固化剤を浸透させ繊維を固着・固定化する方法。
囲い込み    石綿含有製品でないボード等により、吹付け材などを密閉する方法。

上記はあくまで一般的な費用の目安です。また、封じ込めや囲い込みは“一時的な対処”であり、その後の除去が必要なため結果的には高額となります。

これらの対策は、専門の知識と技術を持つアスベスト除去業者に依頼することが必要です。安易な自己判断や不適切な工事は、健康被害や法規制違反に繋がる為控えましょう。
デイラボでは、除去等工事のご相談までお受けいたしますし、エリアや工事内容に応じて協力会社をご紹介することも可能です。


アスベスト調査が必要な場合の費用について

アスベスト調査が必要となると、まず考えなくてはならないのが「どのくらいの費用がかかるのか」という点です。アスベストの含有が確認された場合は除去等のばく露防止対策が必要なことを先述しましたが、そもそもアスベスト調査にはどのような費用が発生するのか —
アスベスト調査の費用は一律ではなく、調査の進め方や対象範囲によって変動します。LED化工事の内容によっては、最小限の調査で済むケースもあれば、複数の検体を採取し調査が必要になるケースもあります。こうした違いが、調査費用に反映されます。

以下では、アスベスト調査が必要となった場合に発生する費用について整理します。

■アスベスト対策費用の内訳

アスベスト対策にかかる費用は、主に以下の項目で構成されます。

  • 事前調査費用
    アスベストの有無を確認するための目視調査や、検体採取・分析にかかる費用です。
    書面・目視調査から採取までは、面積に基づいた調査対応人数や日数、方法等によって、分析調査は、検体数や納期、報告書様式等の希望によって金額が変動します。
  • ばく露防止対策費用
    先述した通り、対処方法には、除去、封じ込め、囲い込みなどがあり、それぞれ費用も異なります。建物の構造によっても作業の難易度が変わり、費用にも影響します。
  • 廃棄物処理費用
    工事の際に発生したアスベストを含む産業廃棄物を適切に処理するための費用です。建材の飛散レベルに応じて、石綿含有産業廃棄物もしくは特別管理産業廃棄物として厳重な管理下で処理されるため、一般的な産業廃棄物よりも高額になります。
  • その他諸費用
    作業員の安全確保やアスベストの飛散防止のためには、足場の設置や養生作業が必要になります。これらの費用は、建物の規模や形状、作業内容によって異なります。そして、除去作業後の清掃や消毒作業なども付帯工事費用に含まれる場合があります。

特に吹付けアスベストなどの飛散性の高い建材(レベル1、レベル2)の除去は、厳重な養生や負圧管理が必要となるため、費用が高額になります。LED照明の設置場所周辺にこれらの建材がある場合は、特に注意が必要です。

■調査費用を抑えるために意識したいポイント

前項においては、アスベスト調査にかかる費用の内訳から実際にどのような基準で費用の差が生まれるのかを説明しました。ここでは、調査の内容ではなく、調査を進める手前の判断基準によって結果としての費用に影響する「みなし判定」の考え方にフォーカスを置いて整理します。

まず、「みなし判定」とは対象の建材に対して分析を行わずに「アスベストが入っているものとのして扱う」ことが出来る判定です。みなしの方が楽、安く済むといったイメージを持たれることが多くございますが、実際そうとは限りません。下記のポイントをきちんと理解し、安易に「みなし判定」を選択しないようにしましょう。

アスベストの含有率から考える

「アスベスト分析調査」or「みなし」の判断においては、アスベスト含有の確率が大きく影響してくるためこれらを関係性を纏めると以下のように考えられます。

アスベスト含有の確率が低い建材に対しては、採取・分析を行った方が安価に対応できるケースが多くなります。(パターンC)
アスベスト含有の確率が低いにも関わらずみなし判定として扱ってしまうと本来不要だったはずの除去工事や産業廃棄物処理が発生し、最終的なコストが大きく膨らみコスト効率は悪くなる可能性が高くなります。(パターンD)

また、実際デイラボの過去実績(2026年2月現在)としては、全依頼中2割が含有であり、残りの8割については非含有という結果になっておりますので、パターンC・Dの根拠づけともなるかと思います。

その後の他の工事への活用を考える

また、「みなし判定」をせず分析を行った場合は、長期的なコストを考えた際にも費用を抑えることが出来るメリットがあります。

下記の図表では、集合住宅やオフィスビル等において同一建材の将来的な工事まで考えた場合の合計費用に関して、「みなし判定」で工事を進めた場合と分析調査を行った場合それぞれを表しています。

例えば、LED化に伴った交換工事を行う際に分析調査を行って非含有の結果が出た場合は、その後の他の工事や違う棟等における同一建材の他の工事は、すでに【分析済み】かつ【アスベストなし】のため、追加費用はなしとなります。
このように最初からアスベスト分析を行うことで、将来的に再調査を行う必要がなくなり、思わぬ追加コストが発生することを避けることが出来ます。これは建物のオーナー様やご発注者様視点で見ると非常にお得かと思いますので、こういった長期的な考え方も理解をしておことを推奨します。

ここまで、アスベスト調査にかかる費用について解説をしましたが、調査費用は調査範囲や検体数、対策内容によって構成されています。その内訳を理解し、安易なみなし判定に頼らず、安全性を確保しながら費用の最適化が可能です。

蛍光灯規制の背景を理解した上で、安全に合理的な調査計画を立てていきましょう。


まとめ:アスベスト調査・採取・分析は信頼と実績のデイラボへ

本記事では、蛍光灯規制の概要から、LED照明への切り替え工事に伴うアスベスト調査の必要性、そして費用の考え方やコストを最適化するための具体的なポイントまで解説しました。LED化は、工事内容によっては法令に基づくアスベスト調査が必須となります。みなし判定に頼らない適切な判断をし合理的な調査計画等によって、安全性とコスト最適化は両立できます。規制開始が直前に迫る前に、やるべきことを整理し、計画的にアスベスト対策を進めていきましょう。

弊社では事前調査一式、採取、分析だけといった依頼もお受けすることが出来ますので、是非ご相談ください。その他アスベストに関して初歩的な質問でも構いません。会社のアスベスト対策に関しての体制づくりも一からサポートいたします。
ご相談・ご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社デイラボまでお問い合わせください。

TIPS「石綿とは?」

「石綿」とは「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれており細長い形の天然の鉱物繊維である。
優れた特性を持っている反面、微細なものがいったん空気中に放出されると、消滅することなく長期浮遊し、人がそれを吸い込むと病気になる危険性が高まることから、石綿ばく露を防止することは極めて重要な課題となっている。

引用:建設業労働災害防止協会|石綿作業主任者技能講習テキスト

<調査結果報告書 サンプル>

<分析結果報告書 サンプル>

また当社では、アスベスト分析業務だけでなく、貴社社員・協力業者様向けのアスベスト事前調査についての勉強会なども行うことも可能です。 1時間程度のお時間を頂き、法改正で変わったこと/今後対応しなければいけないこと/発注者様への説明/解体や修繕等の工事時に気を付けなければならないことなどをお話させて頂きます。 対面でもZOOMなどでのウェビナーでも対応可能ですので、全国どのエリアのお客様でもまずはお気軽にお問合せください。

また、このような情報も含め、アスベストに関する最新情報をメールマガジンとして配信も行っております。 ※配信対象は、お取引を頂きましたお客様に加え、お見積りを提出させていただきましたお客様も対象となりますので是非一度お問い合わせいただければと思います。

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