「ビニルだから安心」は危険|クッションフロアとアスベストの関係

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2026.09.03

「ビニルだから安心」は危険|クッションフロアとアスベストの関係
  • クッションフロアはビニル系床材で一見アスベストが使われていないと思われがちだが、裏打ち材や接着剤など見えない部分にアスベストが使用されている。
  • 凹凸や柄のあるクッションフロアは特に含有率が高く「見た目ではなく分析調査を行い判断する」ことが重要である。
  • アスベストが含有していない建材だと思い込むことや安易なみなし判定をし、十分な対策を行わずに工事を進めてしまうと、工事中や工事後に大きなリスクを伴う可能性もある。
  • アスベストの調査・採取・分析、基本的な体制づくりのサポートはデイラボへ!

クッションフロアは、住宅のトイレや洗面所、キッチンなどの水回りを中心に広く使用されているビニル系の床材です。
柔らかくクッション性があり、施工もしやすいことから、多くの住宅で採用されており、私たちにとって非常に身近な建材のひとつと言えます。

その一方で、見た目や素材の印象から、「ビニル系だからアスベストは使われていないだろう」といった認識を持たれることも少なくありません。

特にクッションフロアは、Pタイルなどと比較して柔らかく、どこか“安全そう”なイメージを持たれやすい建材でもあります。
しかし、この認識には注意が必要であり、実際クッションフロアは分析を通してアスベスト含有の結果が出ているケースがいくつもございます。

そこで本記事では、「安全だと思われがちなクッションフロア」に潜むアスベストリスクの実態について解説いたします。

本記事を通して、一部の建材に対しての安全という先入観を見直し、潜在的なリスクを正しく認識していきましょう。


クッションフロアとはどんな建材か

クッションフロアとは、塩化ビニル(PVC)を主成分としたシート状の床材で、クッション性があり耐水性が高いため、住宅のトイレや洗面所、キッチンなどの水回りを中心に広く使用されています。

耐水性に優れていることから、汚れも拭き取りやすいため、日常的に扱いやすい床材としてくの住宅で採用されています。また、クッション性から足触りが柔らかく、施工もしやすいことから、賃貸住宅やリフォーム現場でも頻繁に使用されるなど、非常に身近な建材のひとつです。木目調やタイル調などデザインのバリエーションも豊富で、見た目の自由度が高い点も特徴です。

一方で、クッションフロアは単一の素材でできているわけではなく、複数の層で構成された建材であることが特徴です。

<クッションフロアの断面図>

上記のように、クッションフロアは見えている表面だけで構成されているわけではなく、複数の材料が組み合わさった“複合建材”である点が重要です。

見た目は同じように見えるクッションフロアであっても、製造時期や仕様によって内部の構成は異なるため、外観だけでその性質を判断することはできません。

この「構造の違い」が、アスベストの有無を判断するうえで重要なポイントとなり、黄色い枠で囲った「裏打ち材」「接着剤」が特に重要となってきます。


なぜアスベストが含まれる可能性があるのか

前項で触れた通り、クッションフロアは複数の層で構成された建材です。この“複合構造”であることが、アスベストの有無を判断するうえで重要なポイントとなります。
実際にアスベストが使用されている可能性があるのは、表面のビニル部分ではなく、見えない部分なのです。

⑴ 裏打ち材(基材)に含有しているケース

クッションフロアの裏面には、施工性やクッション性を高めるために、フェルト状の裏打ち材が使用されていることがあります。
この裏打ち材には、過去の製品において強度の確保やひび割れ防止などを目的として、アスベストが混入されていたケースがあります。
見た目は柔らかいビニル床材でも、裏面側にアスベストが含まれている可能性があるという点が重要です。

⑵ 接着剤に含有しているケース

もう一つ見落とされやすいのが、床材そのものではなく、下地と接着するための接着剤です。
特に古い建物では、クッションフロア自体は不含有、しかし接着剤は含有といったケースも実際に確認されています。
表面の床材だけでは判断できず、剥がした際に初めてリスクが顕在化することになります。

⑶ 表面に凹凸や柄がある場合は特に注意

ビニル床シートの中でも、表面に凹凸があり、絵柄がついている下の写真のようなものは特にアスベストを含有していることが多いのも特徴です。

反対に、凹凸のない無地のクッションフロアだからアスベストを含有していないだろうと判断することは出来ません。施工年や設計図書、分析結果など、他の情報を含めてアスベスト含有の有無の判断が必要です。

引用:環境局 環境対策部 大気環境課|川崎市 木造建物を中心とした石綿事前調査ハンドブック

クッションフロアは、あくまで複数の材料の組み合わせで成り立っています。
そのため、新しそうな見た目や表面のビニル素材から含有していないだろう等と判断することは危険です。
「見えている部分=安全」とは限らないという点が、最大の注意ポイントです。


“リフォーム工事”で問われる責任

このように、見えない部分にアスベストが使用されている可能性があることを踏まえると、実際の現場での判断が非常に重要になります。クッションフロアは特にトイレや洗面所、キッチンなどのリフォームや原状回復工事において、特に多く扱われる床材です。

アスベストが含有していない建材だと思い込むことや安易なみなし判定をし、十分な対策を行わずに工事を進めてしまうと、工事中や工事後に大きなリスクを伴う可能性があります。

仮に工事の途中で指摘を受けた段階で分析調査を行い、そこでアスベスト含有が判明した場合には、工事の一時中断や工期の延長に加え、適切な除去工事や産業廃棄物処理が必要となります。
その結果、当初の想定を超えるコストや工程の見直しが発生するだけでなく、対応次第では会社の信用低下に繋がる可能性もあります。


ビニル床タイルにも同様のリスクがある

尚、こうしたリスクはクッションフロアに限ったものではありません。
クッションフロアと同じく、ビニル系床材の一種であるビニル床タイル(いわゆるPタイル)においても、アスベスト含有の可能性が確認されています。

ビニル床タイルについては、過去の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

ビニル床タイル(通称:Pタイル)とは?~特徴やアスベストについて解説します~

ビニル床タイル(通称:Pタイル)は主にオフィスや事務所の床・病院・公共施設などの床や住宅の場合は洗面所や台所の床に使用されていた材料です。
床タイルそのものにアスベストが使用されていたことと、施工の際の接着剤などに使用されていたことがあることから、撤去作業の際には注意が必要です。
当記事では、ビニル床タイルとはどのような建材なのか、特徴やアスベストの含有について解説しているので是非併せてご確認ください。

クッションフロアもビニル床タイルも、「ビニルだから安心」とは言えない建材です。
いずれも構造や使用されている材料によってアスベスト含有の可能性がある以上、同様のリスクを持つものとして扱う必要があります。


実際の分析データから見えること

ここまでクッションフロアにアスベストが含まれるケースについて解説してきましたが、では実際にどの程度の割合でアスベストを含有しているのでしょうか。

結論、クッションフロアに関して、当社(デイラボ)の分析実績では、アスベスト含有率は約10~15%という結果となっています。
一般的に、建材全体で見ると含有率は20〜30%程度とされることが多く、それと比較するとクッションフロアは含有率が低い傾向にある建材と言えます。

一般的な建材と比較すると含有率は低い傾向にあるものの、 一定の割合で確実に含有しているケースが存在する建材です。クッションフロアは安全だと思われがちだが、実際には見えない部分に含有している可能性がある建材ですので、見た目やイメージだけで判断せず、分析して判断することが重要です。


まとめ:アスベスト調査・採取・分析は信頼と実績のデイラボへ

本記事では、クッションフロアにおけるアスベスト含有の可能性とその理由、見落としやすいリスクから実際の含有率データまで整理し解説いたしました。
クッションフロアは一見アスベストが入っていないと思われがちですが、裏打ち材や接着剤など見えない部分にアスベストが使用されているケースもあり、外観やイメージだけで判断することはできません。
リフォームなどでクッションフロアを扱う工事の際はアスベスト不含有だろうといった先入観を持たずに、調査対象として適切に捉えることが重要です。

弊社では事前調査一式、採取、分析だけといった依頼もお受けすることが出来ますので、是非ご相談ください。その他アスベストに関して初歩的な質問でも構いません。会社のアスベスト対策に関しての体制づくりも一からサポートいたします。
ご相談・ご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社デイラボまでお問い合わせください。

TIPS「石綿とは?」

引用:建設業労働災害防止協会|石綿作業主任者技能講習テキスト

「石綿」とは「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれており細長い形の天然の鉱物繊維である。
優れた特性を持っている反面、微細なものがいったん空気中に放出されると、消滅することなく長期浮遊し、人がそれを吸い込むと病気になる危険性が高まることから、石綿ばく露を防止することは極めて重要な課題となっている。

<調査結果報告書 サンプル>

<分析結果報告書 サンプル>

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