【要注意】その仕上塗材、本当に“レベル3”ですか?誤判定による重大リスク

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2026.10.20

【要注意】その仕上塗材、本当に“レベル3”ですか?誤判定による重大リスク
  • 仕上塗材は一般的にレベル3建材として扱われるが、材質や層構造によってはレベル1建材に該当する可能性がある。
  • 表面の見た目だけでなく、建材の層構造や材質を正確に確認することが、誤判定を防ぐうえで重要である。
  • 建材のレベルを誤判定すると、不適切な飛散防止対策や工事計画の変更、追加費用の発生など、重大なリスクに繋がるおそれがある。
  • アスベストの調査・採取・分析、基本的な体制づくりのサポートはデイラボへ!

アスベスト対策において、建材の正しい特定は極めて重要です。
一見するとレベル3に見える建材でも実際はレベル1であったりと、判定が異なればその後に必要となる安全対策や除去等の工事方法、さらにはコストや工期にまで大きな影響を及ぼします。

しかし実際の現場では、こういった誤った判断をされてしまうケースが少なからず存在します。

そこで本記事では、誤判定が生じやすい建材の一例として内装の仕上塗材に着目し、その特徴をもとに解説します。なぜ誤判定が起きてしまうのかの背景や具体的なリスクを交えながらそれを防ぐための重要な分析体制まで説明いたします。

本記事を通して、建材を正しく見極める重要性を理解し、より安全で確実なアスベスト対策に繋げていきましょう。


仕上塗材の誤判定の危険性

仕上塗材は、現在の実務ではレベル3建材として扱われるケースが一般的です。
そのため、多くの現場では「仕上塗材=レベル3」という認識で工事計画が立てられています。

しかし、この認識には注意が必要です。
単なる仕上塗材として施工されているように見える場合でも、その下層や材質によっては、吹付けバーミキュライトや吹付けパーライトといったレベル1建材である可能性があります。

このようなケースにおいて、材質の判定が行われていない場合、本来レベル1として扱うべき建材をレベル3として取り扱ってしまう危険があります。
これらはアスベスト対策上の区分が大きく異なり、判定を誤ると安全対策や工事内容にも重大な影響を及ぼします。

見誤らないために、まずはそれぞれの建材の特徴から見ていきましょう。

仕上塗材の特徴

引用:東京都環境局|建築物の解体等に係る石綿(アスベスト)飛散防止対策マニュアル

仕上塗材は、建物の美観や保護を目的として施工される表面仕上げ材です。

一般的には塗膜として施工されるため、比較的均一な見た目をしており、凹凸はあっても層としての厚みや粒状感は限定的です。

仕上塗材は、長らく吹付石綿と同様に「レベル1建材」として扱われていましたが、2021年(令和3年)4月の大気汚染防止法改正以降、多くがレベル3の建材として取り扱いがされている状況にあります。

項目内容
特徴・建物の仕上げとして施工される塗膜材
・表面保護や美観向上が主目的
・比較的均一な見た目で厚みは限定的
判別方法・表面が比較的平滑(多少の凹凸はあり)
・層としての厚みが少ない
・粒状感はあまり目立たない
主な使用場所主に外装の仕上塗装

吹付けバーミキュライトの特徴

吹付けバーミキュライトは、断熱性・吸音性を目的として施工される吹付け材です。

特徴として、軽量で多孔質・不均一で粒状感のある見た目・厚みをもって施工されるといった点が挙げられます。

また、アスベストを含有している場合、飛散性が非常に高くレベル1に分類される建材となるため、厳格な隔離養生や管理が必要となります。

項目内容
特徴・バーミキュライト(ひる石)をアスベストと混合し吹付け施工
・断熱・吸音・結露防止目的で使用
・1989年以降は使用されていない
判別方法・触ると弾力を感じることがある
・表面がデコボコしており不均一
・金色に光る雲母状の粒子が見えることがある
主な使用場所地下室天井、階段裏、居室事務室の天井、結露しやすい天井、廊下の天井等

吹付けパーライトの特徴

吹付けパーライトも、バーミキュライトと同様に断熱・耐火・吸音を目的として使用される吹付け材です。

見た目としては白色〜灰色で、バーミキュライトよりもやや軽く、より細かい粒状感を持つケースが多く見られます。

こちらもアスベストを含有している場合は、レベル1として扱われる可能性がある建材であり、仕上塗材とは明確に区別して判断する必要があります。

項目内容
特徴・パーライト(真珠岩)を使用した吹付け材
・断熱・耐火・吸音性能を目的に施工
・軽量で多孔質な構造
判別方法・白色〜灰色で軽い印象
・細かい粒状で均一に近い見た目
・バーミキュライトよりも粒が細かい傾向
主な使用場所地下室天井、階段裏、居室事務室の天井、結露しやすい天井、廊下の天井等

参考URL:
・環境省|建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル
・厚生労働省|石綿障害予防規則の解説および関連資料
・山口県|アスベスト含有建材の見分け方


なぜ誤判定が起きるのか

建材の特徴を整理すると異なる建材なことは明らかですが、実際の現場では、表面の見た目や施工箇所だけで判断されてしまい、分析結果も誤った判定となりそのまま報告書へ記載されてしまうケースもございます。

こうした誤判定の背景には、主に以下のような要因が考えられます。

見た目だけで判断している🚫

仕上塗材と吹付け材は、施工後の表面だけを見ると似て見えることがあります。
特に、経年劣化していたり、上から塗装が重ねられていたりすると、本来の素材感や層構造が分かりにくくなります。

表面の凹凸や色味だけを見て、「塗装材だろう」「仕上げに使われているから仕上塗材だろう」等と判断してしまうと、実際には吹付けバーミキュライトや吹付けパーライトである可能性を見落としてしまうことがあります。

見た目の印象だけで判断するのではなく、施工箇所、厚み、質感、粒状感、下地との関係などを総合的に確認することが重要です。

層構造を十分に確認していない🚫

仕上塗材と吹付け材が混同されやすい理由の一つに、建材が複数の層で構成されているケースがあります。

たとえば、表面に仕上塗材が施工され、その下に吹付けバーミキュライトや吹付けパーライトが存在している場合、表面だけを確認すると仕上塗材に見えてしまいます。また、一般的な層構造を理解していれば違和感に気づけるケースも多く、調査経験や建材知識の有無が判断精度に大きく影響します。

層別に確認しなければ、本来把握すべき吹付け材を見落としてしまう可能性があるため、層構造を理解・確認せずに一括で判断することは非常に危険です。

材質判定をしていない🚫

アスベスト分析では、「アスベストが含まれているか、含まれていないか」だけが注目されがちです。
しかし実務上は、含有・不含有だけでなく、その建材が何であるかも非常に重要です。

同じアスベスト含有建材であっても、飛散性のレベルが異なればその後の除去等工事の対応は大きく変わります。
単に「含有・不含有」と判断し、建材名を曖昧に表記している報告書には注意をしましょう。材質判定が不十分なまま結果が出てしまうと、現場側はその報告書をもとに工事計画を立てるため、誤った対策につながる可能性があります。


このように、誤判定は単なる確認不足だけでなく、現場状況や調査・分析体制、建材の層構造など、複数の要因が重なって起こる可能性があります。

そして重要なのは、こうした誤判定が報告書上だけでは終わらないという点です。特に、仕上塗材と吹付けバーミキュライト・吹付けパーライトは、アスベストの飛散性レベルが異なり、その後の除去等工事の内容にも大きな差が生じます。

誤った判定のまま工事が進んでしまうと、安全対策・工事計画・コスト・施主対応など、さまざまな面で大きなリスクにつながる可能性があります。


誤判定がもたらすリスクとは

では、実際に誤判定がもたらすリスクとは、どのようなものなのでしょうか。

アスベスト調査におけるレベル判定は、その後の除去等工事の前提条件を決める重要な判断です。判断を誤ったまま工事が進んでしまうと、単なる報告書上の違いにとどまらず、安全対策・工事計画・コスト・施主対応といったさまざまな面に影響を及ぼす可能性があります。


安全対策の違い


レベル1に分類される吹付け材は、発じん性が高く、除去等工事の際には厳重な隔離養生や負圧管理、適切な保護具の着用など、高度な飛散防止対策が求められます。
一方、レベル3に分類される仕上塗材などは、レベル1と比較すると飛散性が低い建材として扱われるため、工事方法や養生の考え方も異なります。

本来レベル1として扱うべき建材をレベル3と判断してしまうと、必要な対策が不足したまま工事が進んでしまうおそれがあります。
その結果、作業者だけでなく、周辺環境や建物利用者への飛散リスクにもつながる可能性があります。

工事計画への影響


レベル1とレベル3では、必要となる工法や作業体制が異なります。隔離養生の範囲、作業手順、必要な設備、作業員の配置、届出や事前準備など、計画段階で考慮すべき内容が大きく変わります。

もし工事開始後や直前になって「実はレベル1建材だった」と判明した場合、当初の計画通りに工事を進めることができなくなる可能性があります。

その場合、工事の一時停止、再調査、計画の見直し、関係者への再説明、工程の再調整などが必要となり、現場全体に大きな影響を与えます。
特に改修工事やテナント工事など、工期が限られている現場では、スケジュール遅延が大きなトラブルにつながることもあります。

コストへの影響


レベル判定の誤りは、コスト面にも大きく影響します。
レベル1として対応する場合、隔離養生や負圧除じん装置、作業管理、廃棄物処理など、レベル3とは異なる費用が発生します。

当初レベル3として見積もっていたものが、後からレベル1と判明した場合、追加費用が発生するだけでなく、再見積もりや発注者への説明も必要になります。

また、工事が止まれば、作業員の再手配、工程遅延による調整費用、他業者への影響など、直接的な除去費用以外の負担も増える可能性があります。

安易な判定や不十分な分析によって初期費用を抑えたつもりでも、結果として大きな追加コストに繋がるリスクがあるのです。

信用・説明責任への影響


さらに見落とせないのが、発注者や施主に対する信用面のリスクです。
アスベスト対策は安全や法令遵守に関わる重要な業務であり、後から判定ミスが判明すると、「なぜ最初に分からなかったのか」「調査は適切だったのか」といった不信感につながります。

特に元請会社や施工会社にとっては、施主への説明責任が生じます。判定によって工事内容や費用が変わる場合、追加費用の説明や工期変更の調整が必要となり、顧客対応の負担も大きくなります。


誤判定によるリスクを防ぐためには、表面の見た目だけで判断するのではなく、建材の層構造や材質まで踏み込んだ確認が欠かせません。
そのため、アスベスト分析においては、層別分析や材質判定を含めた精度の高い対応が求められます。こうした観点からも、調査・分析会社の選定は非常に重要です。


まとめ:デイラボにおける層別分析・材質判定について

デイラボの分析では、建材の層別分析および材質判定を行っているため、吹付けパーライト、吹付けバーミキュライトの判定も行うことが可能です。

【層別分析】…層を明確に分けてそれぞれの含有結果を明記いたします。
【材質判定】…建材について層別に材質の判定を行います。
       例)天井材→スレート板・ケイカル板・石膏ボード
         外壁塗材→上塗材・主材・下地調整塗材・下地
  
※採取された検体の状態によっては、層構造の判定・材質判定が出来ない場合もございます。

また、分析の過程で検体の状態や層構造に違和感がある場合、デイラボでは調査内容との整合を確認し、必要に応じて依頼者へ確認を行ったうえで判断を行っています。
このように前提条件を整理したうえで分析を行うことで、誤判定のリスクを低減しています。

<バーミキュライト・パーライトの分析実績>
デイラボでは日々数百の検体を分析しており、バーミキュライト・パーライトにおいても多数の実績がございます。

アスベスト対策においては、最初の判断がその後のすべてを左右します。確実な分析結果に基づいた適切な判断を行うためにも、分析体制の選定が重要です。

過去の分析結果をもとに改修・解体を検討される際にご懸念がございましたら、是非デイラボにお問い合わせください。

TIPS「石綿とは?」

「石綿」とは「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれており細長い形の天然の鉱物繊維である。
優れた特性を持っている反面、微細なものがいったん空気中に放出されると、消滅することなく長期浮遊し、人がそれを吸い込むと病気になる危険性が高まることから、石綿ばく露を防止することは極めて重要な課題となっている。

引用:建設業労働災害防止協会|石綿作業主任者技能講習テキスト

<調査結果報告書 サンプル>

<分析結果報告書 サンプル>

また当社では、アスベスト分析業務だけでなく、貴社社員・協力業者様向けのアスベスト事前調査についての勉強会なども行うことも可能です。 1時間程度のお時間を頂き、法改正で変わったこと/今後対応しなければいけないこと/発注者様への説明/解体や修繕等の工事時に気を付けなければならないことなどをお話させて頂きます。 対面でもZOOMなどでのウェビナーでも対応可能ですので、全国どのエリアのお客様でもまずはお気軽にお問合せください。

また、このような情報も含め、アスベストに関する最新情報をメールマガジンとして配信も行っております。 ※配信対象は、お取引を頂きましたお客様に加え、お見積りを提出させていただきましたお客様も対象となりますので是非一度お問い合わせいただければと思います。

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