- 2026年2月に改正されたアスベスト対策マニュアルでは、運用基準の明確化が図られ、実務対応に影響する複数の項目が整理された。
- 特に検体採取については、「調査者等が行うことが望ましい」という表現から、「調査者等以外の者が採取する場合は、調査者等の指示の下で実施すること」と明記され、責任範囲がより明確になった。
- 法改正ではないが、行政パトロールや説明対応時の判断材料として参照される資料であるため、実務対応を見直すうえで重要なポイントを確認する必要がある。
- アスベストの調査・採取・分析、基本的な体制づくりのサポートはデイラボへ!
アスベスト対策に関するルールは、年々細かく整理され、より明確化が進んでいます。
その中でも、現場の実務に直接影響する指針のひとつが「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」です。
こちらは法令そのものではありませんが、行政指導やパトロール時の説明根拠として参照されることも多く、実務において押さえておきたい重要な資料のひとつです。
先日、当アスベスト対策マニュアルの改正が行われました。今回の改正は大きな制度変更ではありませんが、運用の考え方が明確化された部分もあり、実務上確認しておきたい内容が含まれています。
そこで本記事では、最新の改正情報を整理し、実務において皆様に確認しておいていただきたいポイントをまとめております。
本記事を通して、今回の改正内容を正しく理解し、現場での対応をより明確な根拠のもとで実施できる体制づくりに繋げましょう。
目次
今回の改正はなぜ重要なのか

先日2026年(令和8年)2月に、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」が改正されました。
一見すると文言の整理や追記に見える部分もありますが、今回の改正はよくお客様からもご相談をいただく検体採取を行う者の考え方や電動工具使用時の留意事項、呼吸用保護具の整理など、現場実務に直結する内容が明確化されており、行政パトロールや書面確認時の説明根拠にも影響する重要な改正といえます。
近年はアスベストばく露防止対策の強化が進む一方で、現場では「どこまでが原則で、どこからが例外や努力義務か」といった解釈に迷う場面も少なくありませんでした。
今回の改正は、そうした実務上の混乱を整理し、曖昧に捉えられた部分を明確にした側面も持っています。
改正の全体像とポイント整理
先述の通り、今回の改正では、特定の一箇所のみが修正されたわけではなく、実務運用に関わる複数の項目が整理・明確化されています。
今回の訂正表から実務においての重要な改正点をまとめると以下となります。
- 検体採取に関する考え方の明確化
- 電動工具使用時の留意事項の整理
- 呼吸用保護具の選定に関する記載の整理
- 様式例や掲示例の修正・追記
従来は「望ましい」「推奨される」といった表現で整理されていた部分が、今回の改正によって具体的な運用基準として明文化された点が大きな特徴です。
法令そのものが改正されたわけではありませんが、建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアルは行政指導やパトロール時の判断材料として参照されることが多く、実務においては“事実上の基準”として扱われることもあります。
その意味でも、現場対応の認識を正す内容となっていますので、きちんと確認を行いましょう。
― 改正ポイントの詳細解説 ―
ではここからは、実際の改正内容と押さえておきたいポイントを整理していきます。
訂正表には下記の他に細かな修正も多数含まれていますが、本記事では特に現場判断・行政対応・採取運用に影響する主要ポイントを抽出して整理していきます。
➀検体採取の実施者に関する明確化

検体の採取に関して、従来は「調査者等が行うことが望ましい」という努力義務的な表現でしたが、今回の改正により「調査者等以外の者が採取する場合は、調査者等の指示の下で行わせること」と明記されました。
【改正前】
「調査者等が行うことが望ましい」
【改正後】
「調査者等以外の者が採取する場合は、調査者等の指示の下で行わせること」
これにより、現場で多い「採取だけ自社で実施」「元請けが自己判断で採取」といったケースについても、責任の所在や適正なフローを再確認する必要があります。
こちらは実際にお客様からもご相談をいただくことが多いため、今回の改正の中では特に注目したいポイントです。
②電動工具使用時の留意事項の整理

今回の改正により、除じん性能を有する電動工具を使用する場合の考え方も整理されました。
特に、
- 湿潤化が困難な場合の代替措置
- 集じん装置付き工具の使用時の留意事項
- 飛散防止措置との併用の必要性
などが具体的に示されています。
単に「使用可否」を示すのではなく、適切な条件下での運用方法が明文化された点が特徴です。
③呼吸用保護具の選定に関する考え方の整理

作業内容に応じた呼吸用保護具の選定基準や留意点について、記載の整理・補足が行われました。
これにより、
- どの作業区分でどのレベルの保護具が必要か
- 除じん工具使用時の選定の考え方
などが、より具体的に示され確認できるようになっています。
④書面様式・掲示例の整理

事前調査説明書面や掲示例等の様式についても、
記載内容の修正や整理が行われています。
様式の整備は軽視されがちですが、
- 記載漏れ防止
- 説明義務の明確化
- 行政確認時の整合性確保
という観点で重要な意味を持ちます。
今回の改正を総合的に捉えると、共通しているのは「曖昧であった部分の明確化」です。
努力義務的表現の明確化、運用基準の具体化、責任範囲の整理が進んだことで、現場の自己判断に依存していた部分がより整理されました。
今回の改正を機に、より安全で適正なアスベスト対応へとアップデートしていきましょう。
より具体的な詳細に関しましては環境省のHPにてご確認ください。
まとめ:アスベスト調査・採取・分析は信頼と実績のデイラボへ
本記事では、石綿対策マニュアルの改正箇所を実務において重要な点に絞って解説いたしました。特に採取の考え方については、「調査者等が行うことが望ましい」という“努力義務”の表現から、調査者等以外の者が採取する場合は、調査者等の指示の下で行わせること、と明記されました。
曖昧な解釈や慣例に依存した運用は、行政パトロールや書面確認の場面でリスクとなり得ます。改正内容を正しく理解し、採取フローや社内ルールを見直すことで、安全性の確保と適正な工事運用は両立できます。
今回の改正を機に、現場対応を改めて点検し、より根拠あるアスベスト対策を進めていきましょう。
弊社では事前調査一式、採取、分析だけといった依頼もお受けすることが出来ますので、是非ご相談ください。その他アスベストに関して初歩的な質問でも構いません。会社のアスベスト対策に関しての体制づくりも一からサポートいたします。
ご相談・ご不明な点等ございましたら、お気軽に株式会社デイラボまでお問い合わせください。
TIPS「石綿とは?」
「石綿」とは「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれており細長い形の天然の鉱物繊維である。
優れた特性を持っている反面、微細なものがいったん空気中に放出されると、消滅することなく長期浮遊し、人がそれを吸い込むと病気になる危険性が高まることから、石綿ばく露を防止することは極めて重要な課題となっている。
引用:建設業労働災害防止協会|石綿作業主任者技能講習テキスト
<調査結果報告書 サンプル>


<分析結果報告書 サンプル>

また当社では、アスベスト分析業務だけでなく、貴社社員・協力業者様向けのアスベスト事前調査についての勉強会なども行うことも可能です。 1時間程度のお時間を頂き、法改正で変わったこと/今後対応しなければいけないこと/発注者様への説明/解体や修繕等の工事時に気を付けなければならないことなどをお話させて頂きます。 対面でもZOOMなどでのウェビナーでも対応可能ですので、全国どのエリアのお客様でもまずはお気軽にお問合せください。
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